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エッセイタイトル「あかり」
2005年8月28日
医学博士・歯科医師 林 春ニ

 私は今歩いています。ただひたすら前へ前へ、歩を進めています。2時間を過ぎた頃、左足の付け根の辺り、それも外側の辺りに重苦しさが出てきましたが、それでも歩を進めています。額に汗を流しながら歩いています。とっくに真夜中の12時は過ぎてしまいました。


 秋の気配の漂うと言っても虫の声だけしか耳に入ってきませんが、田んぼ道をひたすら歩いています。


 あかりはほとんどありません。遠く、遥か遠くに人家のあかりが点々と見えるだけです。星のようにも虫のようにも見えていました。しかし、一つか二つしか見えないあかりはとても私の気持ちを勇気づけるようなものではありませんでした。

 私は歩きながら“あかり”について考えていました。

 暗闇の世界を歩いてみている内に“あかり”って何だろう?と思ったからです。
 宇宙の真理は“昼は明るく、夜は暗い”です。この如くにすれば宇宙の真理と私達の生活は一致するはずです。宇宙の真理と一緒なのですから、無理がないということになります。


 老若男女、誰にとっても例外ではありません。そのはずです。宇宙の真理なのですから・・・・。

 暗黒の闇の中に浮かぶ明かりはほんの一握りですが、その“あかり”が疲れた身体にどれほど勇気を注いでくれるかをこの夜は実感しました。

 “あかり”について更に思いが深まります。


 明かりのついているところは人が集まります。夜でも昼でもです。明るいと言うことは希望が持てるからだと思います。

 あたかも朝日の当たるが如くです。眠っているものが目覚め、そして躍動します。人はそういうところに群がります。